円安・インフレ対策で資産運用を始めるべき?山崎元の親切な回答Photo:PIXTA

今にわかに物価上昇が起こり、「インフレ対策として資産運用」という連想が働き出している。加えて、円安が進んできたことで外貨建ての運用商品を勧めやすくもなっている。インフレ対策として資産運用をするべきなのだろうか。そうだとすると、どのような運用がいいのだろうか。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

久々にインフレがやって来た
消費者の実感は数字以上?

 久々にインフレがやって来た。3月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年比0.8%の上昇にすぎないが、この数字は昨春の携帯電話料金値下げの影響を受けている。それがはがれ落ちる4月分以降は前年比2%台の上昇が見込まれる。

「実感」ではもっと上がっていると感じる方も多いのではないか。ガソリン代、電気代のような日常的に価格を意識しやすいものが値上がりしているし、食料品の値上げも目立つ。

 3月の企業物価は前年同月比で9.5%も上昇しており、今後、消費者物価への波及が予想される。

 世界的な資源価格の上昇はそれ以前から始まっていた。ただ、ロシアのウクライナ侵攻と、これに伴う欧米諸国のロシアに対する経済制裁の影響で原油や液化天然ガス(LNG)をはじめとしたエネルギー価格が上昇している。加えて一時は1ドル=129円台まで進んだ当面の円安もあって、物価が上昇しても当然だという雰囲気が醸成されている。