ただし、投資それ自体としては「米国株だけ」ではなく、他の国にも分散投資する方がいい。投資する金融商品を1本で済ますなら、「全世界株式(できれば、含む日本株)」ないし、これに内容が近くて運用管理費用が安いインデックスファンドをお勧めする。

「山崎式経済時計」を使って
典型的循環パターンから見た現局面

 さて、株価下落の原因は米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めの利上げであり、今後も利上げが続くと予想されることだ。

 典型的な循環のパターンを時計の針の回転にたとえた「山崎式経済時計」(下図参照)で言うと、金融引き締めを背景に株価が下落に転じて、勢いが付いてしばらく経過した、おそらくは「3時半過ぎ」くらいの状況にあると思われる。

山崎式経済時計出典:拙著『図解・最新 学校では教えてくれないお金の授業』(PHP出版・P.309)
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 日本のバブル崩壊や、サブプライム問題からリーマンショックに至った世界金融危機などにも当てはまる典型的な循環パターンから考えてみよう。資産価格が下落するときには不良債権が累積されるので、金融機関の経営が不安定になる。そうした金融市場の流動性に問題が生じるような局面(時計では4時台)が金融政策の転換点になる。

 その後は、株価と景気はさらに落ち込む局面があっても、やがては金融緩和政策を背景にリバウンド局面、自律回復、景気の回復、次の好景気、その次のバブルへと至るような動きになる。