ボリス・ジョンソン英首相の退場は、自身のカリスマ性や、首相の座を射止める要因となった英国の欧州連合(EU)からの離脱支持で示した大胆さと劇的に釣り合う、歴史に残る出来事だ。在任中の失政は、与党保守党ひいては世界中の保守政党に対して、経済政策の左傾化は敗北につながる戦略だという警告を発している。保守党が長年にわたり決断できず、分裂した末に、ジョンソン氏は2019年の総選挙でEU離脱(ブレグジット)の実現を公約に掲げて保守党を歴史的な勝利に導いた。保守党は下院で、全野党を80議席上回る過半数を得た。北アイルランド問題ではEUとの対立が続いているが、英国の政治問題としてのEU離脱は解決されたように見える。ジョンソン氏はまた、ジェレミー・コービン氏が率いていた急進的な労働党に政権が移るのを防いだ。これはかなり重要な実績だ。
【社説】ジョンソン英首相の出世と凋落
右寄りの選挙運動と左寄りの統治に有権者は気づいた
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