大阪・泉南市でいじめ受けた中1生徒が自殺、市長が報告書「受け取り拒否」の怪親族とAさん(遺族提供)

2022年3月、大阪府泉南市で中学1年生(当時)の少年が自殺した。母親の手記には、少年が同級生から「少年院帰り」などとからかわれ、担任に助けを求めたことや、教員が「誰が言ったか分かるまで学校側は指導しない」といった趣旨の発言をしたことなどが記されている。この問題の真相を究明すべく、泉南市長の附属機関「泉南市子どもの権利条例委員会」が検証を行った。しかし検証後、泉南市の山本優真市長は、委員会からの報告書の受け取りを拒否した。31歳の山本市長は“全国最年少市長”として注目を集める人物だが、なぜ不可解な対応を取ったのか。(ジャーナリスト 池上正樹)

市長直轄組織の調査報告書を
市長本人が「受け取り拒否」の怪

 2022年3月18日、大阪府泉南市の中学校1年生だった男子生徒(以下、Aさん)が、不登校になってひきこもりを続けた末、自宅近くで自殺した。

 小学校時代から学校への不適応感から不登校状態だったAさんは、中学で同級生などから「少年院帰り」などと言われ、教師に相談したものの対応してもらえず、亡くなる前に「生きていてもしょうがない」などと漏らすようになっていたという。

 この問題を受け、泉南市長の附属機関である「泉南市子どもの権利条例委員会」(吉永省三会長)が「子どもの権利条例」に基づく検証を行った。

 しかし検証終了後、泉南市の山本優真市長は、附属機関である委員会からの報告書の受け取りを拒否するという「聞いたことのない」(総務省の担当者)対応を取り、事態は混迷を極めている。

 山本市長は1990年生まれの31歳。22年4月の市長選で初当選し、5月に就任した際に“全国最年少市長”として注目を集めた。

 詳しくは後述するが、Aさんの自殺が山本市長の就任前であり、市長本人が「どこまで把握しているか分からない」(泉南市役所秘書広報課)状況であることが、行政側の対応の遅れにつながっているという。

 Aさんの自殺の背景に、いったい何があったのか。