5月下旬、米投資銀行ゴールドマン・サックスの従業員がニューヨークの地下鉄で銃撃を受けて死亡した直後から、デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)のメール受信箱はあふれんばかりになった。スタッフは自分たちの悲しみや不安をソロモン氏と共有する一方で、同行のマンハッタンのオフィスに戻ることが実現可能なのかという疑問も飛び交ったと、事情に詳しい複数の関係者は話す。ソロモン氏はその日のうちにニューヨークのエリック・アダムス市長に電話をかけ、懸念を表明するとともに、オフィスに戻る労働者の比率を高めるのに苦労している市長にある論点を力説した。ソロモン氏は、従業員が戻りたがらないのは、市内の治安が悪化し、生活の質が低下しているせいだと語った。関係者らはこう明かす。
オフィス復帰、米大都市でなかなか進まず
ニューヨークなどで特に低いオフィス占有率 増加した暴力犯罪にも懸念
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