NFT鑑定士が登場? 将来注目の金融職5選Photo:Andriy Onufriyenko/gettyimages

 デジタル化や仮想化の加速でお金や物の持ち方が進化しており、それに伴って金融関連の仕事も変化している。業界に登場しつつある新たな職種を見てみよう。

銀行の社内ハッカー

 銀行の警備員は通常、悪者を侵入させないようにするのが仕事だ。しかし、銀行に侵入するために雇われる警備員が登場している。大手金融機関は以前から、外部の企業に依頼して自社のシステムをハッキングしてもらい、脆弱(ぜいじゃく)性を報告してもらう「ペネトレーションテスト(ペンテスト、侵入テスト)」を実施している。こう話すのは、そうしたテストを請け負うセキュリティー調査会社アトレディス・パートナーズの共同創設者ショーン・モイヤー氏だ。

 同氏が近年、目にしている大きな違いは、継続的にシステムをテストできるよう、ペンテストを実施するペンテスターを金融機関が社員として雇っている点だという。「1年に1度テストすれば済むわけではないことに人々が気づき始めている。継続的にプログラムを作成し、継続的に新たなインフラを導入しているのであれば、継続的なペンテストプロセスが必要だ」。モイヤー氏はこう話す。

 20年以上にわたってペンテスターの採用に関わっている同氏によると、人材を見つけるのは常に大変だという。現在、この仕事の需要は一段と増えている。ハッカーはもっと必要なのだろうか。「その言葉はあまり使わないようにしているが、そうだ」とモイヤー氏は話す。