毎月1週間、ポルトガル人のカルロス・タバレス氏(63)はリスボンにある自宅のリビングルームで孫に囲まれながら世界的自動車会社を指揮している。新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)が始まるかなり前からのスタイルで、コロナ収束後も続けるつもりだ。タバレス氏はステランティスの最高経営責任者(CEO)として、世界有数の自動車ブランド――ジープ、ダッジ、アルファロメオ、マセラティ――を背負っている。ステランティスは2021年にフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とプジョーを傘下に持つグループPSAが経営統合して誕生。2014年からグループPSAを率いてきたタバレス氏がトップに就任した。