過去に起こった通貨安戦争とは反対の通貨高戦争がいま起きており、米国が勝利しつつある。米国は2008年の金融危機後にドルを減価させる戦いで「勝利」したように、ドルを増価させる戦いでも勝利を収めようとしている。どちらのケースでも、米連邦準備制度理事会(FRB)は主要中央銀行の中で最も強力かつ積極的な中銀であることを証明し、ドルの変動(前回は下落、今回は上昇)がそれを後押しした。投資家にとっての問題は、これが世界経済に不可欠なリバランスの一環に過ぎないのか、それとも急激な(そして痛みを伴う)修正が起きかねない大きなオーバーシュート(行き過ぎ)なのかどうかだ。もしかすると、両方とも少し当てはまるかもしれない。