外国人投資家が、かつて人気を集めていた中国社債の売却を急いでいる。外国人投資家は長年、政策銀行と呼ばれる中国国有銀が発行する社債を買い増してきた。売買が容易なこの人民元建て銀行債は、中国の国債とほぼ肩を並べる安全資産と考えられており、金利も相対的に高かった。ところが、ロシアのウクライナ侵攻で、こうした投資が一転して見直されている。米国をはじめ西側諸国がロシアに対して厳しい制裁措置を発動し、ロシアを支援する国や組織に対する二次制裁を巡る懸念が高まった。中国の政策銀行3行のうち、国家開発銀行(CDB)と輸出入銀行の2行は、エネルギー開発案件などの原資を必要とするロシアの借り手に数十億ドル規模の融資を行っている。両行はいずれも侵攻開始後、ロシアへのエクスポージャー(投融資残高)についてほぼ沈黙を保っている。両行ともコメントの要請に応じていない。