歯医者の年収とキャリア、独立で年収1400万円も開業費は最低5000万円の声写真はイメージです Photo:PIXTA

大学病院に残っている歯科医師は
行き先がない歯科医師?

 2022年夏の参議院選挙が終わり、自民党が大勝した。医療・医薬やその周辺関係者が気になっているのが、6月に閣議決定された「骨太の方針」に盛り込まれた、国民全員に歯科検診を義務付ける「国民皆歯科健診」がどうなるのかだろう。

『「歯医者選び」6大ポイントを医療コンサルが解説【国民皆歯科健診が話題】』でも指摘したことだが、全国にある歯科診療所の数は、コンビニエンスストアよりも多い。

 歯科診療所が多いということは、それだけ患者が多く、忙しく、もうかっているのだろうか?しかし、筆者の周囲には患者が少なく、暇そうな歯科診療所も散見される(恐らく読者も同じ感想だろう)。

 医療コンサルタントである筆者は以前、知人から「大学病院に残っている歯科医師は、他の歯科医師から『行き先がない歯科医師だ』と嘲笑されることがある」と聞いた。「本当に?それは何ともふびんな…」と思ったが、実際に歯科医師のキャリアや働き方、年収を調べてみると、あながち大うそでもないようだ。

 次ページからは、歯科医師のキャリアと具体的な年収パターン、歯科診療所を経営する際の費用を探る。歯医者という職業は、国家資格取得までの先行投資(学費)に見合った働き甲斐と年収を得られるのだろうか。また、歯科医院の事業承継にも大きな変化が起きているようだ。