薬学部が淘汰される?
薬剤師が供給過剰になる??
2月8日にダイヤモンド・オンラインが掲載した記事、『薬学部「淘汰危険度」ランキング【56私立大・2022年版】2位千葉科学大、1位は?』は衝撃だった。
筆者は医療コンサルタントなので、薬剤師が近い将来、「供給過剰」になるかもしれないことは知っていた。厚生労働省が発表した最新の推計値では、2045年に薬剤師が最大12.6万人も余る可能性があるという。
加えて国は、薬剤師を育てる薬学部に対しても、「学生の質の維持に課題がある大学が存在する」と指摘。少子化で学生数の減少も予想されることから、「入学定員数の抑制も含めた適正な定員規模を早急に検討し、対応策を実行すべき」と提言した。
それを受けて、ダイヤモンド編集部は「薬学部の淘汰」に踏み込み、最新の薬学部の修学状況などのデータを使って、22年版の薬学部「淘汰危険度」ランキングを作成したようだ。
とはいえ一般市民にとって、薬剤師が供給過剰になるとか、薬学部が淘汰されるなんて、思いもよらないだろう。薬剤師をはじめとする医療従事者は、社会にとって必要不可欠な職業だし、現にコロナ禍の最前線でも大活躍している。
だから薬剤師が失業するかもしれないとか、人気職業ではなくなるなんて、今の時点では想像もつかない。次ページからは、薬剤師は今どんな状況に置かれているのか、現役薬剤師の意見や複数のデータから解き明かしてみたい。そこには薬局の現場が困惑する、ある事情があった。