さくら薬局Photo:Diamond

「さくら薬局」グループが事業再生へ
調剤薬局の倒産はなぜ起きているのか

 3月下旬にダイヤモンドオンラインが報じた記事は、薬局や病院、製薬関係者を中心に大きな話題になった。医療コンサルタントである筆者も驚いた一人だ。

【スクープ】調剤薬局大手が「事業再生ADR」申請、金融債務は1000億円規模か
https://diamond.jp/articles/-/299769

 その数カ月前となる2021年末、全国の倒産件数に関するニュースにおいても、調剤薬局の件数が、筆者の周辺では要注意トピックになっていた。

 それは東京商工リサーチが出したもので、21年の企業倒産(負債総額1000万円以上)は6030件(前年比22.4%減)あり、そのうち調剤薬局が26件あったというものだ。

 全体数からすると少ないが、一方で、調剤薬局はこれまで倒産があまりなかったため、こうした状況に薬剤師の多くが不安になっている。

 そこで次ページからは、なぜ今、調剤薬局の倒産が起きているのか。そもそも調剤薬局はどんな経営構造なのか、経営課題は何かなどを考えてみよう。