欧州諸国の労働時間は長年にわたり米国を下回ってきた。ところが、ここにきて欧州では新型コロナウイルス流行以前よりも労働時間が減っており、2021年には米国よりも労働時間が週当たりおよそ1日分も少ないことが分かった。コロナ禍が始まって以降、米国民の労働時間は平均で約1%増える一方、欧州市民では約2%減った。欧州連合(EU)主要5カ国に関する経済協力開発機構(OECD)のデータを比較した。背景には、欧州企業の多くが労働時間を減らすことでコロナ絡みのレイオフを回避しようとしたことがある。欧州ではなお200万人近くが、政府が収入減を一部補てんするコロナ関連の一時解雇プログラムの対象だ。一方、米経済は急ピッチの回復を遂げた。そのため国民は職を維持したか、新たな職を見つけ、勤務時間も横ばいか、むしろ長くなっている。
働きたくても働けない、欧州労働市場に深い傷
コロナ以降に欧州の勤務時間さらに短く、米国では増加
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