写真:生命保険協会の看板Photo by Akio Fujita

第一生命保険の稲垣精二社長が7月15日、生命保険協会長に就任した。生命保険業界では2020年10月以降、営業職員による金銭詐取事件が相次いでいる。金融庁からは実効性のある対策が求められており、稲垣新会長の任期中の最大のミッションとなるが、早くも業界内からは、対策考案の困難さを指摘する声が上がっている。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

金銭詐取事件が続く生保業界
生保協会長にかかるプレッシャー

 7月15日、生命保険協会の新たな会長に、第一生命保険の稲垣精二社長が就任した。

 生保協会長は日系大手生保4社の日本生命保険、第一生命、明治安田生命保険、住友生命保険の社長が1年ごとに輪番で就任するポスト。そのため、稲垣社長が就任することは前から分かっていたことで、新会長のお披露目は毎年7月の業界の“恒例行事”だ。

 しかし今回の新会長には、いつにも増して協会加盟社と金融庁から、今後の協会運営について強いプレッシャーがかかっている。それは歴代の生保協会長の中でも、まれに見る険しく難しいものになるに違いない。一体その内容とは何か。

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