先週の総括

 先週の日経平均株価は方向感の無い展開であった。米国のモノライン救済案や米小売り売上が市場予測を上回ったことも有り、週初は1万3800円台に上伸した。しかし14000円手前は戻り売りも多く、その後は伸び悩んだ。原油価格が100ドルを越え、エネルギー価格の上昇が企業の利益を圧迫するという悪材料と、FOMC議事録が追加利下げに含みを持たせる内容であったという好材料が拮抗し、気迷い状態となった。週末はフィラデルフィア連銀景気指数が市場予想を大きく下回ったため、結局前週末比0.9%安い1万3500円で引けた。

 規模別には大型株が下落したものの、中小型株は逆に上昇した。マザーズ指数など新興株市場も堅調であった。業種別には非鉄・鉄鋼株が商品市況の上昇を受けて物色された。一方前週に引き続き不動産株が売られた。

今週の予報

化学業種:
ナフサ価格の転嫁も進み製品市況堅調で「晴」

晴

 今週の日経平均株価は、前週に引き続き揉合う展開を予想する。マーケットは経済指標に敏感に反応する状況が続いている。米国は急速に金融緩和を進めているが、実態景気に影響を及ぼし始めるのは数ヶ月の間隔が必要だ。悪い経済指標にも反応しなくなれば、ここ数週間のボックス上限である14000円を抜けることも期待できるが、先週の地合をみるともう暫く時間がかかりそうだ。

 化学業界の代表銘柄の株価が急落している。汎用品大手の(4183)三井化学の株価は昨年10月5日高値1187円をピークに1月22日安値601円まで約50%の急落。(4063)信越化学も昨年7月13日高値9580円から2月12日の安値5110円までやはり47%の下落だ。一般的に化学業界は景気敏感業種と呼ばれることから、米国景気後退懸念をまともに受けた形である。しかし化学業界を取り巻くファンダメンタルズはそれほど悪化しているとは考えられない。ここは見直し買いの好機だろう。