自民党圧勝で金融緩和変更の「予測」は後退したのか政府が格別の円安対策を講じていないにもかかわらず、参議院選挙で自民党が圧勝したことから、日銀の緩和政策続行に一定の承認が得られたと解釈されているのだろう Photo:Anadolu Agency/gettyimages

日銀7月政策会合でも「緩和維持」
「2つの予測」に変化はあったか

 日本銀行は、7月20~21日の金融政策決定会合で「緩和維持」を決めた。

 同日、これまで日銀と同じ緩和政策を続けてきた欧州中央銀行(ECB)が0.5%の大幅利上げに転じたことで、世界の主要中央銀行と日銀の政策との方向性の違いがますます際立つことになった。

 これまで海外のヘッジファンドは、金融緩和が維持されるとの予測から円資産をドル資産に変える取引(「円キャリー取引」)で利益を得ようとする一方で、日銀が金融政策を変更し長期金利の上昇を認めるとの予測から、6月の決定会合前には日本国債の先物売りを仕掛けてきた。

 だが7月の参院選で緩和支持を掲げた自民党が大勝したことで、政策変更の予測が後退したように見える。実際、7月の日銀決定会合でもそうなった。

 これによって円安はさらに進むと考えられる。一方で長期金利を巡る攻防はこれで終わるということにはならないだろう。