「バラマキ」対策では
根本解決にはならない
7月10日に投開票となる参院選では、ウクライナ問題による資源価格などの上昇と円安加速で一段と高まった物価高対策が最大の争点だ。
各党ともに独自の物価高対策を打ち出しているが、財源確保を欠いた「バラマキ的」な色彩が強い。新規国債発行の増加を伴う物価高対策は、結局、国民負担を高めることになり、根本的な問題解決とはならない。
重要なのは、対症療法的、場当たり的な対策ではなく、生産性や潜在成長率向上につながる成長戦略による、物価高に対する日本経済の耐性を高める腰を据えた取り組みだ。
特に出生率上昇など人に関わる成長戦略の強化が求められる。
当面の対策としては政府の政策ではないが、日本銀行が金融政策の正常化あるいは修正を行うことで、物価安定へのコミットメントを示し、日銀が物価高につながる円安を今後も放置するのではという人々の懸念を払拭することが、重要な物価高対策になるだろう。