海外出張に行って、さて自己紹介となったら、名前と肩書ぐらいしか話せなかった。そんな悲しい経験を持ってらっしゃる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。書籍『英語は最初の10秒!』は、そんな経験をお持ちの方のために作られています。著者の小池リオさんが、25年間のニューヨーク生活で気づいたこと。それは、日本人に本当に必要なのものは「愛嬌のある英語」ということでした。いくつかの「つかみネタ」を仕込んで、ちょっとユーモアを交えながら話すのが、『英語は最初の10秒!』の方法、「つかみイングリッシュ」です。本連載では、あなたの本来持つ素敵なキャラクターを存分に伝えるための方法をご紹介していきます。今日ご紹介するのは、10秒で外国人が微笑んでくれる、「名前のサウンド」で心をつかむ方法です。

「英語が苦手な人」こそ身につけたい<br />愛嬌のある自己紹介【名前編】Photo: Adobe Stock

「名前のサウンド」で相手の気持ちをつかむ!

 外国人との初対面、自己紹介の際に、名前以外に話すことがなくて絶句してしまった方いらっしゃるのではないでしょうか。

 そんな時は、2行目に相手の気持ちをつかみ、喜んでくれるフレーズを使ってもらうのがおすすめ! です

 早速例文をご紹介しましょう。

英語の、へディック(頭痛)みたいなサウンドです。

●私の名前はヒデキです。
▶ My name is ヒデキ.

●英語の、へディック(頭痛)みたいなサウンドです。
▶ Like “Headache” in English.

 こう話すと、どんな名前でも瞬間的に覚えてもらえます!

 また会った時、確実に「Oh, Mr “○○”!」と言ってもらえます。

 相手が「名前のサウンドネタ」からいろいろいじってくれるので、それに合わせて「Oh yeah」とだけ返していればオッケーな便利ネタです!

 この例文の「英語方程式」は、

▶ My name is “××”.
▶ Like “○○” in English.

 になります。

 いかがですか?

 では、さらに、応用例も紹介してみたいと思います。

 こちらです。

●私の名前はカオリです。
▶ My name is カオリ.

●英語の、コヨーテのようなサウンドです。
▶ Like “Coyote” in English.

●覚えやすいでしょ!
▶ It’s easy to remember.

 3行目に、
「覚えやすいでしょ!」
▶It’s easy to remember. という(つなぎフォロー)を入れると、外国はきっと微笑んでくれるはずです。

 名前でも、苗字でもやり方は同じです。有名人と名前が同じなら、よりカンタン。

 ユウヤをyou and yeahカズヒロをkazoo and heroのように、サウンドを2つに分けるとぴったりはまる名前もあります。松坂大輔投手も、メジャーリーグではダイスケをdice and Kと呼ばれていました。

 自分の名前に似た英語サウンドをスマホで探す方法を最後にお伝えしたいと思います。

 ①まずはスマホの入力表示を英語に変えます。

 ②英語の音声認識機能を使い、自分の名前を吹き込んで、音声認識機能がどんな英語の表示を出してくるかを確認します。その際、自分の名前をいつもよりゆっくり言うと、また違った英語の表示が出てくることがあります。

 ③音声認識機能にうまく認識されない場合は、名前を2つに分けたりして、吹き込むと、英語の表示がされやすいです。

 きっと、思ってもみない英単語や英熟語が出てきて驚かれると思いますよ。「リョウジ」が「“rouge” ルージュ」と表示されたりします。

「名前のサウンド」で心をつかむ方法、是非、ビジネスの現場や、カフェや酒場で試してみてください。

『英語は最初の10秒!』より)
※本書には、この他にも、たくさんの「愛嬌のある自己紹介イングリッシュ」の例文が収録されています)

小池リオ(こいけ・りお)
スタンドアップコメディアン
1967年2月27日生まれ。あのビヨンセも笑わせた、世界唯一の日本人プロスタンダップコメディアン。NYを中心に20年間の活動で世界中のセレブゲストを含む40万人以上を爆笑の渦に巻き込んだ実力派。大学時代は社交ダンス全日本準優勝。世界一を目指し単身渡米、LAダンス選手権準優勝。ダンス引退後はマジシャンに転向しハリウッドマジックキャッスルプロテスト合格。その後30歳でコメディーを始める。
丸覚えしたジョークがたまたま発表会でウケて、NYでコメディアンになる。元々は英語の成績は「10段階の2」。そのためアメリカ人コメディアン達と会話は全くできず、「リオと会話すると時間が短く済んで助かる」と揶揄される。クラブオーナーからは「あの日本人は挨拶もできないのか」と怒りを買いクビ寸前に。気の利いた英語挨拶術の習得が急務になる。どうせ日本人なのだからと開き直り、最初の「ハロー」から3分間の自己紹介を全て丸暗記したらバッチリ通用。相手が誰でもこちらはワンパターン英語でいいのだと発見。おかげでクビは逃れ、以来、英語が上手くなくても愛嬌のある日本人として可愛がられ大逆転。「つかみイングリッシュ」の企画は、その方法を日本人なら誰でもカスタマイズできるように整理し、まとめ綴ったもの。
自分に関係した「自分事」フレーズなら今までと違ってチャーミングに人間味までも伝わる。今まではすっ飛ばされていた英会話の入り口である「つかみ」を向上して、世界に「噂と違って、日本人は楽しい国民ばかりだな。もっと付き合ってみたいな」と思ってもらうのがミッション。