ひろゆきが語る「カルト団体にダマされないための、たった1つの教え」ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、人生の原点をマジメに語っている。
この記事では、ひろゆき氏が問題視する「カルト宗教」について語った。(構成:種岡 健)

「私に関係ない = 私は認める」という矛盾

 あなたは「カルト団体」にダマされない自信はありますか?

 そう聞くと、「私はダマされません」と答える人がほとんどです。

 しかし、いま話題の「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」では、多数の被害者が出ています。

法外な金銭的要求」「子どもの強制的な入信」「公共の秩序を乱す行い」など、フランスの反セクト法など10項目がありますが、そこに当てはまっています。

 ブラック企業で働く労働者や、カルト宗教を称賛する政治家に投票する国民など、従っている相手が「間違っている」ということに気づいても、気づかないフリをすることは多くあります。

 僕の考えでは、「カルト宗教は解散すべき」「ブラック企業は潰れるべき」という思いがあります。それを言うと、「私には関係ないから」と、一歩引く人も多いのですが、それは「黙認している」ということで、つまり「カルト宗教やブラック企業を認める」という行為に僕には見えます

 人に迷惑をかけているカルト宗教が、宗教法人として「非課税」なのはおかしいと思うのですが、みなさんはそう思わないのですかね?

「信者」からは距離を取れ

 カルト宗教の入り口の多くは、「親」です。

 親が信者になるだけであれば、それは個人の責任でいいのですが、新興宗教では「子どもを強制的に入信させる」ということが当然のように行われています。

 ある宗教では、子どもの行動を制限したり、子どもに手術を受けさせないということがおこなわれています。これって、単純に「人権侵害」だと思うんですよね。

 僕は、家族は「環境」だと思っています。それは、「自分では変えられない」ということ。

 だったら、子どもには、「自分で選ぶ権利があることを教える」のが当然だと思います。

 子どもが自分の人生において、住むところや、働く場所、信仰する宗教……など、それらを自分で選ばせるような教育をしないといけない。

 もし、強制するような親の元で暮らしているなら、さっさと「距離を取ること」しかありません。

 カルト宗教を信じ込んでいるような人は、「勧誘して信者を増やすことは相手を幸せにすることだ」と本気で洗脳されてしまっています。

 それを説得したくなる気持ちもわかりますが、なかなか洗脳は解けません。残念ですが、それが現実です。

 そもそも「親と子どもで同じ宗教を信じる必要はない」ということがどんな宗教においても当たり前なのに、日本人はその意識が薄いんですよね……。

今後の日本の「行く末」が決まる

 オウム真理教は、テロ行為をおこなったことで社会的制裁により潰されました。残った団体も、かなり厳しく監視されている状態です。あれだけの事件性があれば、国が動くのも当たり前です。

 しかし、旧統一教会は、政治家と仲良くし、票を配ったり、無償で選挙活動を手伝ったり、秘書を与えたりすることで、密接な関係性を築いています。

 いま日本では、選挙に行く人がどんどん減っていっています。すると、どういうことが起こるでしょうか。

 宗教の組織票の影響力が強くなってしまうのです。それにより、政治家をバンバン送り込むようになっていくでしょう。

 さて、ここから先の3年間、日本では大きな国政選挙がありません。いまのカルト団体の問題を受けて、今後、自民党がどう動くのか。日本人1人1人がどんな判断をするのか。それにより、日本の行く末が決まると思うのですが、それでもあなたは「カルト団体とは無関係だからどうでもいい」と思いますかね?

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、44万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。