小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか?「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法 「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を公開。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評だ。本連載では、同書より一部抜粋、加筆して特別に公開します。

【「売れない」が「売れる」に変わる逆転の発想!】品数を広げるのではなく、逆に絞ってみる!Photo: Adobe Stock

小さいころからの夢であるパン屋さんを開業したものの、
思ったように売上が上がらない…

 販促をいろいろ試みてやってみるものの、そんなに効果が出ないという方におススメしているのが、「それまでとは、逆のことをやってみる」というものです。

 なぜなら、いろいろと手を尽くしているのに効果が出ないという場合、だいたいはその手の尽くし方が間違っているからです。

「押してもダメなら引いてみな」という言葉がありますよね?

「押してもダメなら引いてみな」とは、いくら押しても開かないドアを試しに引いてみると開く事があるという意味ですが、このように、いろいろと手を尽くしているのに効果が出ない時は、逆の事を試してみると意外と突破口が開けるものです。

 逆の事とはどういうことか? 取扱商品数や販売方法の例で説明しましょう。

 静岡の「はなぱん」というパン屋さんの話です。

 オーナーの鈴木さんは、小さいころからの夢であるパン屋さんを始めました。年配の方が多く住んでいる地域だったので、食パンなど食べやすいソフト系のパンを中心に売っていました。

 しかし、思ったように売上が上がりませんでした。そこで隣をリノベーションしてイートインを始めることにしたのです。

 しかし、それでも思ったように売上は上がりませんでした。売上が上がらないどころか、イートインをつくったことで、逆に運営コストが上がってしまい、経営は以前よりも苦しくなってしまいました。

 これ以上、パン屋さんを続けるべきか悩んでいた時に、

ソフト系のパンは家庭でも作れるしコンビニでも売っている。それならソフト系のパンはコンビニなど他のお店に任せて、その辺ではあまり売っていないフランスパンなどのハード系のパンに絞ってみよう。これで上手くいかなければ、もうパン屋をやめよう

 と考え、販売するパンをハード系のパンに絞り、イートインもやめました。

売上が2.5倍に、利益率も1.5倍に向上!

 その結果どうなったか? 

 なんと、売上が下がるどころか、平日で2.5倍。休日に至っては3倍にも上がったのです。

 また売上が上がっただけでなく、ハード系のパンに絞ったことで仕入れに無駄がなくなり、イートインもやめたことによって、利益率も1.5倍向上しました。

 さらにハード系パンの専門店としてテレビなどの取材も入るようになり、今では順調に業績を伸ばしています。

 上手くいかないと取扱い点数を増やしてみたり、いろいろな販売方法を行ったりしますが、やってみても上手くいかない場合は、逆に品数を絞ってみてください。

 絞ることにより専門店の様になり、それがどうしても欲しいというお客様は、遠くからでも来てくれるようになります。

仕入れ効率が良くなり、業績も良くなる

 また、仕入れ効率も良くなるので業績も良くなるでしょう。

 どう絞ればいいかわからなければ「マンダラ広告作成法」シートを参考にしてみてください。

「マンダラ広告作成法」シートには、様々な参考キーワードが書かれているので、どう絞ればいいかのアイデアが考えやすいと思います。

 ※今回は、実際にあったケースから内容の一部を分かりやすく簡略しました。

岡本達彦(おかもと・たつひこ)
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる! 』(ダイヤモンド社)などがある。