幸せに起きるための二度寝のルール

 しかし、いくら二度寝が心身によい影響を及ぼすからといって、何時間も二度寝をしてはいけない。

 抗ストレスホルモン「コルチゾール」を最大限に分泌させ、かつ毎日の生活に影響のない程度の二度寝をするには、「二度寝は5分、一度だけ」というルールを守ることが重要になる。

 二度寝を10分以上すると、それはもはや二度寝とは呼べないくらいの深い眠りに入ってしまう。目覚ましが鳴って目覚めたら、5分後にセットし直して、次のアラームでしっかりと起きよう。もちろん、あらかじめ5分差で2回セットしてもいいし、スヌーズ機能を使ってもいい。

 そして、あくまでも「二度寝」なので、再び眠るのは「一度だけ」にとどめよう。三度も四度も目覚ましを止めて眠ってしまうのは、二度寝ではない。

 朝は、「5分間二度寝」でコルチゾールやエンドルフィンの効果を最大限に得て一日を始めよう。

もっともストレスなく起きられる「目覚まし」のかけ方

 ちなみに前回の記事でお伝えした、起きたい時刻に自然に目覚められる「自己覚醒法」と「二度寝」は併用できる。

 自己覚醒法で目覚めたあと、さらにアラームをセットして「5分間二度寝」をすると、より幸せな目覚めとなるだろう。

 その際、アラームの音でストレスを感じては、せっかくの幸せな目覚めが台無しになってしまう。目覚ましを工夫して、ストレスなくスムーズに起きよう。

 最もストレスなく、スムーズに起きるためには、自分の名前を録音したものをアラームとして設定するといい。医者が患者の意識を確認するときに患者本人の名前を呼ぶのは、人間が自分の名前に大きな反応を起こすからだ。

 これには、カクテルパーティー効果と呼ばれるものも大きく影響している。カクテルパーティー効果とは、たくさんの人が雑談している場でも、自分が興味を持っている人の会話や、自分の名前、自分に関する話題などは聞き分けられるというものだ。

 人間は耳で聞き取った音の中から、自分に必要なものを選択して聞き取る能力を持っているのである。

 そのため、自分の名前を録音した音声は、単なるアラーム音より覚醒効果が高く、かつ小さい音でも脳が反応するためストレスは少なくて済む。ぜひ、試してほしい。