金融機関や自治体からの書類、郵便物、クーポン、子どもが持ち帰るプリント類……。「紙」は毎日、怒涛のように家に入ってきます。いったい、取っておくべき紙はどれなのか? そして、それをどう整理すればよいのか?「とりあえず取っておく」と、「肝心な時に出てこない」「いつの間にか期限が切れていた」「大事な書類を失くして、お金や信頼を失くす」などの悲劇が起こります。紙には、財産や信用に直結するものもあります。人生により大きな影響を与えるのは、実は「モノ」よりも「紙」の片づけです。「もっと早く知りたかった!」と大反響の、片づけアドバイザー・石阪京子先生の最新刊「人生が変わる 紙片づけ!」から抜粋して、ご紹介します。

【実家で自宅で!お盆休みに取り組もう】<br />お金の不安があったら<br />まず初めにやるべきことPhoto: Adobe Stock

「紙」が片づいてないと財産の把握はできない

 お片づけレッスンでは、将来のお金について漠然とした不安を持っていらっしゃる方に多く出会いました。そういった方は、ほぼ例外なく、「紙」が片づいていません。本書でも書いておりますが、「紙」を片づける究極の目的は、お金の管理能力をあげることです。

 紙が片づいていないせいで、損をした方をこれまでたくさん見てきました。

 ある方は、保険に入ったきり、ずっと見直さずにいたら、なぜか火災保険に二重で入っていました。今はできないかもしれませんが、その方の場合は、府民共済と普通の保険会社の両方に入ってしまっていたそうです。でも、本来、火災保険は一家に一つ。だから、火事になっても2か所からはもらえません。幸い、火事になることはありませんでしたが、もらえないもののためにお金を払い続けていたなんて大損です。

 台風の時に壁が壊れて、火災保険の紙を探しているうちに3年たったという方もいました。

 また、よくあるのは控除のやり忘れです。控除の紙がどこかに行ってしまって申請できない、そもそもそんなことを忘れていた、という方は多いです。

 大事な紙を管理できていないのは、お金がぽたぽたと漏れていっているようなもの。紙をしまいこんで内容を把握せず、お金を失っているのです。

督促状に気づかないと人生設計が狂う?

 そして、若い方に、声を大にしてお伝えしたいのが、スマホ代金は絶対に滞納しないこと!

 紙が散らかっているせいで、督促状が来ても気づかず、「裁判になりますよ」という大事な紙が来ても気づかず、支払いを放置しているとブラックリストに載ることがあります。

 すると、クレジットカードが作れなくなったり住宅ローンが組めなくなることもあります。人生設計にかかわるので、きちんと管理しておかないと大変です。

 だからこそ、紙片づけが大事。

 本書で提案しているルール通りに紙を片づければ、大事な紙を見失うことはありません。そして、財産にまつわる紙をあぶり出すことで、現状を把握できます。

 現状を把握すれば、漠然とした不安も消え、将来を見据えた対策が取れます。

 紙片づけは、お金の管理に直結しているのです。お盆休みに是非、自宅の「紙」を片づけてみてはいかがでしょうか。ご実家で親御さんと一緒にやってあげても喜ばれると思います。お金に不安のある人は、まず、紙を片づけて現状把握することから始めてください。

*本記事は、石阪京子著「人生が変わる 紙片づけ!」の中から、抜粋・編集したものです。