金融機関や自治体からの書類、郵便物、クーポン、子どもが持ち帰るプリント類……。「紙」は毎日、怒涛のように家に入ってきます。いったい、取っておくべき紙はどれなのか? そして、それをどう整理すればよいのか?「とりあえず取っておく」と、「肝心な時に出てこない」「いつの間にか期限が切れていた」「大事な書類を失くして、お金や信頼を失くす」などの悲劇が起こります。紙には、財産や信用に直結するものもあります。人生により大きな影響を与えるのは、実は「モノ」よりも「紙」の片づけです。「もっと早く知りたかった!」と大反響の、片づけアドバイザー・石阪京子先生の最新刊「人生が変わる 紙片づけ!」から抜粋して、ご紹介します。
「紙片づけ」の目的は、「財産の管理能力」をあげること
「紙片づけ」の究極の目的は、「財産の管理能力」をあげることです。それは、紙を丁寧に取っておくことではなく、一枚一枚と向き合って、必要な紙だけを残すことで身につきます。
本書で紹介したAさんは、重要そうな書類はすべてきっちりすべてをファイリングして収納していたにもかかわらず、一枚一枚と向き合っていなかったがために、2000万円も損をしかけました。
「紙片づけ」をして2000万円の保険金を発掘
彼女と一緒に家の中を片づけていた時のことです。生命保険会社から届く控除の書類が出てきました。でも、照らし合わせてみても、それに対応する証券がありません。
生命保険会社に確認するように伝えると、「いや、私そんなん入った覚えないわ。京子ちゃん、わからへん。私、こういうのめっちゃ苦手やねん。代わりに電話して」と言われ、「娘ですけど」と電話。だけど、やっぱり本人にしか話せないということなのでAさんに電話をかわりました。すると、みるみる顔色が変わっていって、「そうですか、わかりました」と、電話をお切りになりました。
そして、笑顔で「あったわ」。
なんと、彼女は、旦那様が亡くなった時に下りた生命保険の2000万円を使い果たしたと思っていたけど、そうではなかった。実は、保険会社の方に言われて、その生命保険を自分の名義に変えて、息子さんを受取人にしていたんです。彼女はそれをすっかり忘れていました。
彼女のように、書類はとりあえず置いておけばなんとかなると思って、中身を把握せずに放置していると、大損しかねません。
紙は、一枚一枚向き合わないと、その価値に気づけないのです。
けれども、それこそがスタートです。お金と向き合うスタート。
よくわからないからと目を背けているのではなく、向き合ってみてください。そうすればお金の出口と入口が見えるようになって、するべきことがわかってきます。
*本記事は、石阪京子著「人生が変わる 紙片づけ!」の中から、抜粋・編集したものです。