ある外交評論家は、ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問を「全く無謀だ」と評した。中国が8日、台湾周辺での軍事演習の継続を表明したことを受け、トーマス・フリードマン氏によるこの批評は、中国の最近の強引な軍事姿勢に懸念を抱く、国家安全保障政策に関わる関係者の間で広く共感を得た。同氏の見解はホワイトハウス高官らの考え方を反映していると一般的に考えられている。実態は複雑だ。ペロシ氏の訪問は国内外に大きなプラスの効果をもたらし、中国の政策への影響は同氏を批判する勢力が主張するほど劇的ではなかった。米国内では、太平洋における中国の攻撃的な姿勢に対抗する必要があるとのコンセンサスを強化することほど重要なことはない。下院議長は台湾訪問によって、台湾の防衛は民主党の中道左派が無視できない大義だとの考えを貫き通した。これは発信すべき重要なシグナルであり、ペロシ氏は賞賛されるべきだ。