ドナルド・トランプ前米大統領は10日、一族が経営するトランプ・オーガニゼーションと同氏に対しニューヨーク州司法長官が進めている民事の詐欺案件についての調査を巡り、同長官からの質問には答えないと言明した。トランプ氏は声明で、弁護士の助言に従い憲法修正第5条に基づく黙秘権を行使するとし、「自分の家族、会社、周囲の人々が、弁護士や検察官、フェイクニュースメディアが後押しする事実無根で政治的動機による魔女狩りの標的になった場合、ほかに選択肢はない」と述べた。フロリダ州パームビーチにある同氏の別荘マールアラーゴが8日に別の捜査で連邦捜査局(FBI)に家宅捜索されたことも、今回の判断に影響を与えたという。トランプ氏は「現政権とこの国の多くの検察官は道徳的・倫理的な良識を完全に失っているため、私には全く選択の余地がない」と述べた。