CAは見た!小さな子ども連れ女性に対する男性乗客の「塩対応」と「神対応」写真はイメージです Photo:d3sign/gettyimages

世界を股にかけて活躍し仕事をバリバリとこなすビジネスパーソンは、時に冷淡で、取っつきにくいイメージを与えることがあります。仕事ができるという自負と、どこか片意地を張って、他を近づけさせないオーラを出している人も多いのですが、真のエグゼクティブは、誰に対しても平等に優しく温和な人が多いのです。今回は、エグゼクティブが見せた器の大きさについてです。(CCI代表取締役・元国際線チーフパーサー 山本洋子)

子ども2人を連れた女性が搭乗
お母様の過酷な空の旅

 私が在籍していた航空会社には、ファミリーサービスという特別なサービスがあります。

 海外に赴任する家族の渡航に合わせ、子ども連れの配偶者や子どもだけのご搭乗、また高齢の親に対し、不安なく機内でお過ごしいただけるよう特別に配慮した対応を行うサービスです。機内サービスだけでなく、出発地と到着時の出入国管理や手荷物のケアなど、出発から到着まですべてのお手伝いを行います(利用するには、条件があります)。

 通常ビジネスクラスには、出張などで渡航するビジネスパーソンが多くご搭乗になるのですが、なかにはこのようにファミリーサービスをご利用される子ども連れがご搭乗になるケースも多いのです(海外赴任を命じた企業が、会社の規定でビジネスクラスのファミリーサービスを手配しているケースが多いです)。

 シカゴ行きビジネスクラスでの出来事です。

 小さな子どもを2人抱えたお母様が搭乗したのですが、隣の席は男性のお客様でした。すると、その男性は一気に不機嫌になったのです。

 満席のビジネスクラスで、お母様の過酷な12時間の旅が始まりました。