住友商事会長が明かす大阪万博の意義「400年続く『住友』を理解してもらう」Photo by Masato Kato

大阪・関西万博実現の陰の立役者は地元の名門財閥、住友グループだ。住友グループ主要19社の社長会「白水会」は、万博の会場建設費100億円の拠出やパビリオン出展を決めた。住友グループは万博で何を訴え、大阪経済をどう盛り上げていくのか。20回超にわたり公開予定の特集『「大阪」沈む経済 試練の財界』の#18では、住友EXPO2025推進委員会委員長を務める住友商事の中村邦晴会長を直撃した。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

世界が住友に追い付いてきた
400年続く事業精神を理解してもらいたい

――住友グループは大阪・関西万博にパビリオンを出展します。狙いは何でしょうか。

 住友が(17世紀に)ビジネスを始めたのは京都ですが、銅の製錬を手掛けて規模を拡大したのは大阪に進出してからになります。大阪は今の住友グループ19社の礎というか、骨格のような土地ですので、その地に貢献し、もう一度盛り上げることに少しでもお役に立てればという思いがあります。

 もう一つのパビリオン出展の目的は、住友とはどういう会社なのかを理解してもらいたい。住友グループは400年の歴史があり、各社の手掛ける技術やビジネスは違うものの、共通して尊重する事業精神があります。

「自利利他公私一如」という、自らの利益だけでなく、社会の利益になる事業をしなさいという事業精神をベースに考えてきたからこそ、住友は400年続きました。今でいうSDGs(持続可能な開発目標)に通じる考え方を、住友は400年前から実践していたのです。世界が住友に追い付いてきた、という思いもちょっぴりある。多くの人に住友の精神を分かってほしいのです。来場者が、自然や環境といったサステナビリティについて考えるきっかけとなるようなパビリオンを出展したいと考えました。

白水会に加盟する19社で寄付金100億円を集めた上に、万博のパビリオン出展も決めた住友グループ。グループの意思決定の舞台裏はどうなっていたのか。次ページでは、住友グループの一体感の理由のほか、万博を盛り上げるためのグループの取り組みを明かしてもらった。万博に対する東京と大阪での温度差について、中村会長はメディアにも注文を付けた。