商社 食料部門の悲哀#7Photo:bee32/gettyimages, fcafotodigital/gettyimages

住友商事は4月の組織再編で食料事業本部を廃止し、ライフスタイル事業本部に統合した。“異例”ともいえる食料部門の「格下げ」はなぜ起きたのか。特集『商社 食料部門の悲哀』(全7回)の最終回では、住友商事の組織再編と、その元凶ともなった“問題児”の正体を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

住友商事、4月に食料部門を廃止
組織再編引き金の「問題事業」とは

「食料事業本部がなくなりました。実質クビです」

 こう声を潜めるのはある住友商事の社員だ。

 住友商事は、4月に組織再編を実施した。社内のひそかな話題は、食料事業本部がライフスタイル事業本部に統合されたことだ。食料事業本部がなくなるのは設立以来初めてだという。

 事業本部名から「食料」の名前が消えたことで、食料部門が“格下げ”されたと社内の一部では受け止められている。一体なぜ、このような事態となったのか。

 次ページ以降では、食料事業本部で組織再編の引き金にもなった“問題児”の正体を明かす。