今年に入り、「陰謀論」にまつわる団体を目にするようになった。その代表が「神真都Q(ヤマトキュー)」だ。逮捕者まで出たこの団体は今、どうなっているのか。さらに先日の参議院選挙でも陰謀論の文字が躍った。日本を取り巻く陰謀論の最前線を追った。(取材・文/有井太郎)
夏の参院選でも話題に
陰謀論につながる二つの団体
今年の3月、『「コロナ陰謀論」で日本に広がるデモ活動の真意、孤立を狙った落とし穴とは』という記事を書いた。コロナ禍に発生した陰謀論や、それを取り巻く人々の動きをまとめたものだった。
この記事の中で取り上げたのが「神真都Q(ヤマトキュー)」だ。神真都Qは「ディープ・ステートという悪の勢力が世界を裏から操っている」という陰謀論を主張。全国で反ワクチン・ノーマスクのデモを行って勢力を拡大し、記事掲載時の3月には、ワクチン接種会場に押し入って抗議行動を起こすまでになっていた。
そしてその後、逮捕者が出るまでに発展。当時、大々的なニュースになったことを覚えている人も多いだろう。
この神真都Qは、現在どうなっているのだろうか。逮捕者の出た後、組織としての動きに変化はあるのだろうか。
また、神真都Q以外にも、陰謀論に関連する動きが国内で続いている。たとえば7月の参院選で1議席を獲得した「参政党」も、陰謀論とのつながりを指摘する声が多かった。果たして、その実態はどんなものなのか。
そこで前回の記事に引き続き、陰謀論や悪徳商法、オカルトなどを取材するライターの雨宮純氏に取材。神真都Qの現在の状況や、新たな陰謀論の動きについて聞いた。