中国の偽情報にどう対抗、台湾の巧妙な防御策ファクトチェック組織「MyGoPen」の創設者、チャールズ・イェ氏 PHOTO: JOYU WANG/THE WALL STREET JOURNAL

【台北】ナンシー・ペロシ米下院議長の訪台を受けて、中国はミサイルを発射したほか、軍事演習を実施。さらには台湾海峡に戦闘機を飛ばした。

 だが、台湾当局はペロシ氏の搭乗機が降り立つ前から、中国による一段と巧妙な攻撃から市民を守っていると話していた。偽情報を拡散して人々に恐怖を植えつけようとする作戦だ。

 そうした情報工作に対する台湾の防御戦術は、ここにきて西側の当局者やネット専門家の高い関心を集めている。マーク・エスパー元米国防長官は7月に訪台した際、台湾のデジタル担当相と偽情報対策について協議した。

 エスパー氏は帰国後、「非常に効果的なようだ。学んだ教訓を持ち帰る」と述べた。

 世界の偽情報に関する年次報告書を作成するスウェーデンの組織「V-Dem」によると、外国勢力による偽情報工作で、台湾は9年連続で世界最大の標的になったと指摘されている。台湾の当局者や専門家は、攻撃の大半は中国によるものだと話している。