ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
セーシェルってどんな国?
セーシェルは、アフリカ大陸東部のインド洋に浮かぶ小さな国です。
日本では、松田聖子さんやサザンオールスターズなどの歌を通じてよく知られています。歌詞から連想されるように、リゾート地として人気の地です。アフリカ諸国の中では唯一の高所得国になっています。
セーシェルは115島から成り立っています。中生代にインド亜大陸がアフリカから分離していったときに形成された島と、サンゴ礁の島があります。
古い時代に孤島になったため、独自の進化を遂げた固有種が多いことでも知られています。その代表が双子ヤシです。大きさと重量でギネスに認定されています。19世紀にこの地を訪れた英国の軍人チャールズ・ゴードンが、女性の腰のような形をした双子ヤシの実を見て、セーシェルこそ「エデンの園」であるといったと伝えられています。
セーシェルの主要な産業は、観光業です。独自の植物相と美しい海がセーシェル観光の魅力となっています。
観光の持続的な発展を続けるため、政府は自然保護に熱心です。アルダブラ環礁とヴァレ・ド・メ渓谷自然保護区の2ヵ所がユネスコの世界遺産に登録されています。2018年には21万㎢にも及ぶ海洋保護区を設立しました。
セーシェル共和国
面積:455㎢ 首都:ヴィクトリア
人口:9.6万 通貨:セーシェル・ルピー
言語:フランス語系クレオール語(公用語)、英語(公用語)、フランス語(公用語)
宗教:カトリック76.2%、プロテスタント10.5%
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)