開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

子どもが10歳までに身につけたい1つの習慣Photo: Adobe Stock

10歳までに「失敗に対する免疫力」をつける

 ひとりっ子の場合、親がなんでも先回りして手助けする傾向にあるため、子どもはなかなか失敗経験を積めません。

 失敗経験がなければ、社会での適応能力も、問題を解決するための考える力も育ちません。

 とはいえ、打たれ強くないひとりっ子に、いきなり大きな失敗をさせるのも危険です。

 そこで、まだあまりセンシティブさがない10歳くらいまでに、小さな失敗をたくさん経験させてあげましょう。

 友だちとけんかをする程度のことでかまいません。「なるほど、ああいうことを言うとこうなるのか」という因果関係について、子どもなりに考えられればいいのです。

ひとりっ子家庭と兄弟がいる家庭の決定的な違い

 これが、第2子以降の子どもだと、兄や姉が失敗するところを見ており、「あれをやるとお父さんから怒られちゃうんだ」などと疑似体験ができています。

 しかし、ひとりっ子は、同年代の失敗を家で目にすることはほぼありません。だから、失敗についてわかっておらず、するときには大きな失敗になったりします。

 とくに女の子の場合、大きい失敗はネガティブに働くので、小さい失敗をたくさん経験して免疫力をつけておくことが大事です。

 中学受験も、ピアノの発表会も、サッカーの試合も、いきなり本番に臨ませるのではなく、失敗も含めた小さな体験を前もって積ませてあげましょう。

 小さな失敗を重ねることが成功につながります。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)