開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「いつまでも自立できない子」親に共通する1つの悪いクセPhoto: Adobe Stock

「時間の管理」を子どもに任せる

 子どもは時間管理や段取りが苦手です。だから、親としてはフォローしてあげたくなりますが、ときにはあえてまかせてみましょう。

 その理由の1つは、子どもなりに「自分のことを自分でやった」という喜びを感じてもらうためです。小さな達成感を味わうことで、次の成長の糧が得られるでしょう。

 もう1つ、失敗体験を積んでもらうというのも大事な要素です。

「朝5時に起きるつもりが起きられなかった。6時でないと無理か」
「塾から帰ってから宿題しようと思ったら、寝ちゃった」
「30分で準備できると思ったのに全然、間に合わなかった」

 こうした経験をしてはじめて、子どもは「じゃあ、どうすればいいのか」を考えていきます。

 ところが、どれもこれも親から見れば最初から失敗することはわかっているため、どうしても先回りしてしまいます。

 そうして子どもは失敗するチャンスを失い、いつまで経っても自分で考えての時間管理や段取りができません。

ひとりっ子の親ほど、あれこれと世話を焼きがち

 ひとりっ子の親は、ランドセルの中身をチェックして翌日の授業に困らないように揃えてあげるということもしがちです。筆箱を開けて、鉛筆も削ってあげます。

 そのため、子どもは鉛筆は削られているのが当たり前だと思っています。しかし、鉛筆は誰かが削らなくては先が丸まってとても書きにくいのです。

 その「書きにくい」という失敗体験をさせることが、先回りして削ってあげることよりも大事だということを忘れないでください。

 失敗を親子で共有して前に進むことが大切です。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)