犬の聴覚,犬の認知症,犬写真はイメージです Photo:PIXTA

 犬は聴力の衰えに伴い知能も低下することが、新たな研究で明らかにされた。老犬の聴力低下と認知症との関連を示した今回の研究結果は、感覚喪失がイヌ科動物の認知機能に及ぼす影響を知る上で役立ち、治療の向上にもつながる可能性がある。米ノースカロライナ州立大学獣医学教授のNatasha Olby氏らが実施したこの研究の詳細は、「Journal of Veterinary Internal Medicine」に8月6日掲載された。

 Olby氏は、「ヒトの場合、65歳以上の3人に1人は加齢により聴力が低下し、そのような人では認知力の低下速度が約30~40%速いことが示されている。また、聴力低下が高血圧や肥満などの因子よりも認知症リスクに大きな影響を及ぼすことも明らかにされている。しかし、犬でも同じことが言えるのかどうかは明らかになっていなかった」と研究背景について説明している。