部下に声をかける上司写真はイメージです Photo:PIXTA

「リーダーとして、力強い言葉でメンバーを引っ張らねば」と思っている管理職は多いだろう。しかし、数多くの企業研修を手がける伊庭正康氏によれば、「そうしたリーダー像は時代遅れ」「むしろ嫌われてチーム運営に支障が出ることもある」という。その理由とは?(らしさラボ代表取締役 研修トレーナー 伊庭正康)

※本記事は、伊庭正康著『できるリーダーは、「これ」しかやらない[聞き方・話し方編]』の内容を一部抜粋・編集したものです。

「上司に力強さはいらない」と言われる時代

 ふと、自信をなくしそうになることはないですか。部下が主体的になってくれない。どうしたらいいのだろう……、と。もっと、リーダーらしく振る舞わないといけないのかな……、と。

 だとしたら、今こそ、我々が知るべき情報があります。ズバリ、「今の部下は、何を上司に期待しているのか」です。

 ただ、これを知ると、衝撃を受けるかもしれません。リクルートマネジメントソリューションズ社の「2021年 新入社員意識調査」(2380名)の分析によると、この10年で上司に期待することが大きく変わっていることがわかります。さっそく、確認していきましょう。

【上司に期待すること】
1位 「相手の意見や考え方に耳を傾けること」(51.3%)[プラス5.3ポイント]
2位 「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」(47.7%)[プラス13.7ポイント]
※[  ]内は、この10年での上昇率

 この「耳を傾ける」「丁寧に指導する」が、トップ2。しかも、これらはこの10年で大きく数字を伸ばしている要素です。