極限まで「最小・最軽量化」することで、
本当に大切なことに集中できるようになる
どうして、そんなことができたのか?
特別な資格を取ったり、人の何倍も働いたり、並外れた精神力を発揮したわけでもない。
むしろ逆で、楽をしようと「不要な荷物」を減らし、「余計な荷物」を背負わないようにし、すべてにメリハリを付けただけだ。
モノ、情報、タスク、空間、スケジュール、人間関係、ストレスを「最小・最軽量化」することで感覚が研ぎ澄まされ、判断力が向上して迷いも減り、大切なことに集中できるようになった。
荷を小さく維持することで身も心も軽くなって、体と脳のパフォーマンスが上昇し続け、気付かぬうちに次々と山を乗り越え、継続的にいい仕事ができるようになっていた。
誰かと競い合い、息を切らせて「山頂=上」に向かうのではなく、呼吸を乱さず自分のペースで「遠く=奥」を目指す。
これこそが「ある本気の遊び」で学んだ人生の真理。その遊びとは、山を旅する「バックパッキング登山」のことである。
筆者は、世にあふれる“成功法”を信じていない。それを実践しても多く場合、「一発屋」で終わってしまうからだ。
20世紀には、誰もが必死に「爆発的な成功」を追いかけたが、21世紀に求められるのは「持続的な成果」。
そのためには、健康な体と長期的な視座、持久性のある集中力を獲得し、あなたの最高の状態をキープし続ける必要がある。そして、その鍵を握るのがサステナブルな働き方の習得だ。
本連載では、そのための全技法を、包み隠さず公開していく。
『超ミニマル主義』では、「手放し、効率化し、超集中」するための全技法を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
(本原稿は、四角大輔著『超ミニマル主義』から一部抜粋したものです)
執筆家・環境保護アンバサダー
1970年、大阪の外れで生まれ、自然児として育つ。91年、獨協大学英語科入学後、バックパッキング登山とバンライフの虜になる。95年、ひどい赤面症のままソニーミュージック入社。社会性も音楽知識もないダメ営業マンから、異端のプロデューサーになり、削ぎ落とす技法でミリオンヒット10回を記録。2010年、すべてをリセットしてニュージーランドに移住し、湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営む。年の数ヵ月を移動生活に費やし、65ヵ国を訪れる。19年、約10年ぶりのリセットを敢行。CO2排出を省みて移動生活を中断。会社役員、プロデュース、連載など仕事の大半を手放し、自著の執筆、環境活動に専念する。21年、第一子誕生を受けて、ミニマル仕事術をさらに極め――週3日・午前中だけ働く――育児のための超時短ワークスタイルを実践。著書に、『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)、『人生やらなくていいリスト』(講談社)、『モバイルボヘミアン』(本田直之氏と共著、ライツ社)、『バックパッキング登山入門』(エイ出版社)など。