全ての子どもは「伸びる力」をすでに持っている――ボーク重子さんはそう言います。大切なのは子どもが無理なく力を発揮できる「仕組み」を整えること。三つのポイントを守るだけで、この仕組みは簡単に作れます。特集『わが子が伸びる!子育て百科』の#7では、非認知能力を育む子育てのパイオニアであるボーク重子さんが、「遊びながら伸びる子の親が守る“黄金ルール”」を伝授します。
子育てコーチングをしている関係で「どうやったら“○○しなさい”と言わなくても自分からやる子になりますか?」という質問をよくいただきます。
子どもは○○しなさいと言われなくても
自分でやっている
そこで私は、いつもこうお答えしているのです。「皆さんのお子さんはすでに言われなくても自分からやる子ですよ」と。するとママたちは「全然ダメ、何回言ってもやらない!」とおっしゃいます。
でも子どもって、自分が「やりたいこと」はしなさいと言われなくてもやっていますよね。それが勉強や宿題というママが望むことじゃないというだけで。
だから、ママたちが言う「言われなくてもやる子」とは、「(やりたいことではなく)“やらないといけないこと”を、親から言われる前に自らやる子ども」という意味になるかと思います。
これは、時に大人でもハードルが高いことですよね。
日常生活は「やりたいかやりたくないかにかかわらず、やらないといけない」、いわばMust(しないといけない)や Should(やったほうがいい)的作業にあふれています。
疲れている時や、やる気が出ない時などは「なかなか重い腰が上がらない」という状況に陥る。そんな経験はありませんか?
子どもも同様なのではないでしょうか? 特に学校はMustやShouldがほとんどです。
勉強だけじゃなく、子どもなりに複雑な人間関係の中で長い時間を過ごして家に帰ってきて、そこでまた勉強や宿題をしなければならないのですから。加えてお稽古や塾もあります。お手伝いもあるかもしれない。本当に子どもって大変ですよね。
だけどそこは大人になるプロセスですから、やらないといけないことはやらないといけない。そこで皆さん行き着くのが「ルール」なのですが、「ルールがあっても守らない」という状況もよく耳にすることですよね。
次ページ以降では、ボーク重子さんが家庭の黄金ルールを作る三つのポイントを解説する。習い事や塾の捉え方、ルールを守れなかったわが子にどう接するか……など実践的アドバイスも紹介。さらに、子どもの主体性をグンと伸ばす「親の見守り方」まで大公開!わが子の持つ力を家庭で存分に引き出す方法をお届けする。