優秀な子が育つ家庭で必ず行われているのが「習い事」です。しかし、向き合い方を間違えると、子どもが伸び悩み逆効果になることも。実は、誰でも簡単にできる「サポートのコツ」があるのです。特集『わが子が伸びる!子育て百科』#6では「わが子を伸ばす、習い事との向き合い方」を、教育者として活躍する船津徹氏が徹底分析。向上心の育て方や、受験との両立の考え方についても解説します。
優秀な子が育つ家庭で必ず行われていることが「習い事」です。
私はアメリカで学習塾を経営していますが、ハーバードやイェールなど、世界でも最難関大学の集まりであるアイビーリーグには学力だけでは合格できません。学校の成績がオールAでも、SATと呼ばれる大学進学適性試験で満点を取っても、スポーツ、音楽、アート、演劇といった課外活動に本気で取り組んでいない生徒は(ほぼ)合格できないのです。
アイビーリーグ大学合格を勝ち取った生徒のプロフィールを見ると、文武両道、文芸両道はあたりまえ。学力がトップレベルであるだけでなく、スポーツや音楽などの課外活動面でも「州や国のトップレベル」を達成しているケースがほとんどなのです。
なぜ世界最難関のアイビーリーグは
課外活動を重視するのか?
なぜアイビーリーグ大学が課外活動の実績を重視するのか?
その理由は学生の「非認知能力を見極めるため」です。非認知能力というのは、IQや偏差値のようにペーパーテストの数値で評価することが難しいが、社会で成功するために欠かせないスキルの総称です。たとえば、やる気、コミュニケーション力、レジリエンス、リーダーシップなどは社会では不可欠ですが、数値化することが困難です。
不思議に思われるかもしれませんが、習い事に真剣に打ち込んでいる子どもは勉強もできるようになるのです。私自身も、学習塾で5000人以上の子ども達を育てた経験を通じて実感しています。もちろん、これにはきちんとした理由があって、学問的にも裏付けられています。
次ページからは、「頭の良い子の親が習い事を大切にする理由」について解説します。習い事と受験勉強の考え方や子どものやる気を高め方、挫折を経験したわが子にどう接するか……など実践的なアドバイスもお届けします。