コメダ珈琲Photo:Diamond

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はすかいらーくホールディングス、サイゼリヤなどの「ファミリーレストラン/カフェ」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

一見すると4社とも好調だが
「コロナ前比」で分かれる明暗

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のファミリーレストラン/カフェ業界4社だ。

 対象期間は2022年2~6月の直近四半期(すかいらーくホールディングスとロイヤルホールディングスは22年4〜6月、サイゼリヤとコメダホールディングスは22年3~5月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・すかいらーくホールディングス
 増収率:20.4%(四半期の売上収益745億円)
・サイゼリヤ
 増収率:17.4%(四半期の売上高381億円)
・ロイヤルホールディングス
 増収率:29.6%(四半期の売上高252億円)
・コメダホールディングス
 増収率:9.0%(四半期の売上収益90億円)

※サイゼリア、ロイヤルホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適用していない。

 ファミリーレストラン/カフェ業界の4社はいずれも前年同期比で増収となった。しかもすかいらーくホールディングス、サイゼリヤ、ロイヤルホールディングスのファミレス3社は2桁増収を達成している。

 コメダホールディングスだけ、今回取り上げた4社の中で増収率が1桁台でイマイチにも見えるが、実はコロナ前を上回る売上高だった。一方、他の3社は2桁増収とはいえ、「コロナ前」の水準に戻っていない。

 次ページではその実態について、時系列データを踏まえて詳しく解説する。