高所得層の教育熱を反映
東急東横線がトップに

 鉄道「教育熱が高い」沿線ランキングの評価対象にした首都圏主要28路線は、一般の通勤者が沿線の住宅を購入できることを念頭に置いて選んでいる(詳細はランキングの注記を参照)。このことから、駅の大半がJR山手線内にある東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線など、地下鉄路線の多くは除外した(地下鉄路線の中でも、山手線外に連続10以上の駅を持つ東京メトロ東西線・丸ノ内線、都営浅草線・大江戸線・三田線・新宿線は対象とした)。

 日能研、早稲田アカデミー、SAPIX、四谷大塚それぞれの校数をカウントした駅については、公平を期すため各路線とも都心部からおおむね1時間で通える駅とした。

 教育熱の得点は100点満点。トップ3に入ったのは私鉄が1路線、JRが2路線となった。

*ランキングの対象は、小田急小田原線、京王井の頭線、京王線、京急本線、京成本線、JR京葉線、JR常磐線、JR総武線、JR中央線、JR東海道線、JR根岸線、西武池袋線、西武新宿線、相鉄本線、つくばエクスプレス、東急池上線、東急田園都市線、東急東横線、東急目黒線、東京メトロ東西線、東京メトロ丸ノ内線、東武伊勢崎線、東武東上線、都営浅草線、都営大江戸線、都営新宿線、都営三田線、横浜市営地下鉄ブルーラインの28路線。乗降人員数で全国トップ5に入る駅(新宿、渋谷、池袋、横浜、北千住)もしくはJR山手線の駅を通過する路線を選んだ。ただし、山手線の駅を通過する場合、山手線外に連続10駅以上の駅を持たない路線は対象外とした。営業キロ10km未満や駅数10未満の短い路線は除く。JR京浜東北線とJR埼京線は条件を満たすが、他の主要ランキングの評価項目の一つ「輸送密度」(国土交通省・鉄道統計年報)に適当なデータが存在しないため対象外とした。
「教育熱」は、対象路線の各駅の徒歩10分圏内(半径800m以内)にある日能研、早稲田アカデミー、SAPIX、四谷大塚の校数を計測し、路線ごとに平均校数を算出。統計専門調査会社おたにの協力を得て実施した。
教育熱は100点満点で、案分配点計算式は(当該値-最低値)÷(最高値-最低値)×100点。
起点駅から終点駅までを校数の計測対象としていない路線は、月曜朝7時台に出発した場合の山手線内のいずれかの駅(直通がない場合は横浜か北千住)までの所要時間(有料特急は使わない)が1時間までの駅とした。所要時間はGoogleマップで測定。次の8路線が該当する。JR常磐線が日暮里~荒川沖、JR東海道線が東京~茅ケ崎、京急本線が泉岳寺~追浜、京成本線が京成上野~京成佐倉、小田急小田原線が新宿~厚木、西武池袋線が池袋~飯能、東武伊勢崎線が浅草~加須、東武東上線が池袋~高坂。

 1駅当たりの平均校数が1.76校で、100点を取り教育熱の高さでトップとなったのは東急東横線だ。それぞれの駅の、徒歩10分圏内にある中学受験塾の数を確認すると、最多は計6校で、渋谷、新丸子、武蔵小杉の3駅が並んだ。次いで横浜が計5校、慶應義塾大学のキャンパスがある日吉が計4校で続いている。

 最も中学受験塾が多かった駅の一つ、渋谷について塾の内訳もチェックしておこう。日能研が1校、早稲田アカデミーが3校、SAPIXが1校、四谷大塚が1校で計6校となっている。早稲田アカデミーの3校は、難関中高受験専門塾のExiV渋谷校、ExiV渋谷校2号館に加え、個別進学館渋谷校をカウントした。

 東横線は渋谷、横浜という巨大ターミナル駅をつなぎ、東急自ら開発を手掛けた沿線住宅地を走る路線だ。田園調布や自由が丘といった高級住宅街が多く、今回の計測結果は高所得層の教育熱を反映した格好になった。

 2位となったのは平均校数が1.70校で、95.77点を稼いだJR東海道線だ。東海道線の駅で校数が多かったのは、横浜(計5校)、大船(計3校)である。このほか、品川、川崎、戸塚、茅ケ崎がそれぞれ2校だった。3位もJRの路線で、平均校数1.67校の中央線が93.49点をマークした。

 なお、ダイヤモンド・オンラインの特集『JR・私鉄「全国376路線」ランキング』の#12『鉄道「教育熱が高い」沿線ランキング【首都圏28路線】東急4路線は何位?西武、東武はどちらが上?』では、ランキングの完全版として4位以降の全28路線の順位と得点を掲載している。東横線が1位となった東急だが、このほかにも3路線が10傑に入る結果となった。あなたが住んでいる路線が何位になっているか、ぜひチェックしてみてほしい。

Graphic:Daddy’s Home

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