「自粛」がもたらした不健康な生活
高齢者への影響は深刻
9月26日に新型コロナウィルス感染者の「全数把握」の見直しがなされるなど、日本もゆっくりではあるが「日常」を取り戻しつつある。
だが、これで終わりというわけではない。新しいウイルスがまたいつ流行して「医療がひっ迫するからステイホームせよ」という事態に逆戻りになるかわからないからだ。
そこで、今あらためて検証をしなくてはいけないのが、「自粛がもたらす健康被害」だ。
ご存じの方も多いだろうが、コロナ禍での自粛生活で運動量や人とのかかわりが大幅に減ったことで、免疫機能などが活性化せずに体や心の不調をもたらすという「健康二次被害」が指摘されている。
この問題を啓発するために、医師や自治体、民間企業などの有志が立ち上げた「健康二次被害防止コンソーシアム」によれば、自粛によって免疫力が低下したことでコロナに感染しやすく、重症化リスクも高くなってしまう、という本末転倒な事態も起きているという。つまり、我々国民としては、次のパンデミックに備えて「自粛のリスクと効果」をよく理解しておく必要があるのだ。
そんな「コロナ健康二次被害」を考えるうえで、注目すべきは高齢者だ。
実は、これらの年代の人々はコロナ重症化のリスクが高い一方で、過度なステイホームや活動自粛をすると心身を壊すケースが多く報告されている。