11月の米中間選挙がもたらす議会膠着(こうちゃく)が、米国株のみならず日本株に恩恵となる――。一見先行き不透明感が高まるように見えて、実は相場に恩恵をもたらすと米著名投資家のケン・フィッシャー氏が考える理由を解説した。
米中間選挙がもたらす
議会膠着は日本株に恩恵
2022年前半は波乱含みだったが、ニュースを見ると株式ラリーの失速が懸念されている。だが、今こそ前を向く時だ。何しろ、常に強気となるべきイベントは目前である――11月に予定される次の米国議会「中間」選挙――これは株式相場を上昇させる燃料だが、過小評価されている。間接的に、米中間選挙がもたらす議会膠着(こうちゃく)は日本株に恩恵となり、上昇を後押しする。以降、その仕組みを説明していこう。
日本の国会のように、米国議会にも下院と上院がある――「ハウス・オブ・レプレゼンタティブ」と「セネイト」だ。下院は全435議席が隔年11月に改選される。今年、上院では100議席のうち35議席が改選される。
ジョー・バイデン大統領の民主党は、現在両院を支配している。だが、下院全体でわずか6議席を失うだけで、共和党寄りになる。中間選挙ではそうなる可能性が高い。
1945年以来、ほぼ全ての中間選挙で、大統領の所属する政党は下院で議席を失っている。不人気な米国大統領は、平均で38議席を失う。民主党が今年それほどの議席を失うことはないかもしれないが、バイデンの40%と低迷する支持率は、共和党が支配権を握ることを示唆している。
上院はより不透明だ。現在は互角――50:50だ。バイデン直属のカマラ・ハリス副大統領が均衡を破るルールとなっており、民主党に有利だが、1議席で支配が逆転しうる。
2021年以来、民主党の僅差のリードは大型歳出法案を通過させ、規制導入のための資金を賄ってきた――辛うじて。加えて、どの法案を採決するかは各議院を掌握する政党が100%決めるため、不透明感は高いままだ。共和党がいずれかの議院を支配するとそれが完全に妨害される。よって大型法案は可決されない――議会膠着だ。
株式はこれを大いに好む。なぜだろうか。