午後10時の日本経済#7Photo:Michael M. Santiago/gettyimages

3月を皮切りにFRB(米連邦準備制度理事会)は年内に2%超の利上げに踏み切る見通しだ。長期金利も3%に近づいている。米国株は利上げに耐えられるのか。株価には逆風となる金利上昇を相殺する材料はあるのか。特集『午後10時の日本経済 激変!為替・株価・物価』(全8回)の#7では、米国株のスペシャリストの見解を披露する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

21年11月に3万6000ドル台に
現在は3万3000ドル前後で推移

 資源価格の高騰や新型コロナウイルスの感染拡大からくる供給制約のために、米国の物価は大きく上昇している。3月の消費者物価上昇率は前年同月比8.5%。約40年ぶりの高さである。

 米国の中央銀行に当たるFRB(米連邦準備制度理事会)は深刻化するインフレを抑制するため、金融引き締めをかなりのハイペースで進める。

 5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、米国の政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの0.5%引き上げが確実視されている。0.25%ではなく、0.5%引き上げとなれば2000年5月以来、22年ぶりとなる。

 現在、0.25~0.5%であるFFレートの誘導目標は12月までに2%以上は引き上げられると市場は織り込んでいる。長期金利の代表的指標である米国の10年国債利回りは3%に近づいている。

 米国株の代表的指標であるニューヨークダウ平均株価は21年11月に3万6000ドル台にまで上昇し、年始からはインフレ、金融引き締め懸念から下落に転じ、現在3万3000ドル前後で推移している。

 さらなる金融引き締め、金利上昇に米国株は耐えられるのか。

 そこで今回、米国株のスペシャリスト3人に、緊急アンケートを実施し、ニューヨークダウ平均株価の予想をしてもらった。利上げが進行中であるが、現在の水準は「割安」とする回答もあった。次ページではその根拠をひもときながら、米国株の見通しを徹底検証していく。