中古物件を購入すべき
合理的な理由

 今の新築価格が2割高かろうが、相場が今後4年で2割増しになるなら、4年後には適正価格になっていて、含み損は生まれなくなる。しかし、「だから買っていい」という論法はいつか来た道だと気付く。それはバブル経済の時の発想と同じだ。

 将来の価格はこれまでの価格変動と同じで、上昇すると考えてマイホームを買った人がババ抜きのゲームに負けた歴史だ。将来の価格変動が確実そうに見えても、それは100%確実ではない。そのシナリオに乗って、一生に一回かもしれないマイホームを購入するのは、「ギャンブル」になってしまう。バブル期と同じでは、私が分析してきた意味がない。将来の価格は現状維持を想定して適切な判断をしたいものだ。

 新築は売り主が決めた価格を購入検討者に提示して納得した人だけが購入する仕組みなので、原則値引きはできない。特に今はコロナ禍で家の購入を検討する人が多くなった需要過多の状態なので、値引きする理由がない。そんな時だからこそ、合理的な購入として中古を推奨している。

 中古というと聞こえは悪いが、すべての新築物件が竣工から1年すると中古扱いになる。今は新築より中古の方が取引件数も多い。他人の手あかが気になるなら、壁紙を新品に張り替えよう。費用は数十万円で、リフォーム見積もり比較サイトも充実している。

 物件検索サイトに出ている中古価格は売り出し価格といい、成約する価格とは平均2割ほど乖離(かいり)があるので、適正価格を調べた上で、指し値、つまり「この価格なら買います」という意思表示を買い付けという形で行えばいい。

 合意に至らなければ、別の物件を購入すればいい。その適正価格は一般に中古の成約価格は不動産業者に独占されているので、一般の方には分かりにくい。しかし、その成約データを用いて、「住まいサーフィン」で算出可能にしている。マンションを特定したら、自宅査定というボタンから○○号室を特定すると、無料査定することができる。中古においても適正価格付近で買わないと含み損になるので新築同様に注意してほしい。