Photo:Micha Brändli on UnsplashPhoto:Micha Brändli on Unsplash

10月4日、北朝鮮の中長距離弾道ミサイルが日本列島を通過して太平洋に落下した。これまでも北朝鮮は日本や韓国に対してミサイルを撃ちまくってきたが、今回のミサイルは今までと何が違うのか、また、北朝鮮の意図は何か?  韓国の対北専門家が解説する。(NK知識人連帯代表、脱北者 金興光)

ミサイルが日本上空を横切る
~北朝鮮の狙いとは?

 北朝鮮が発射した中長距離弾道ミサイルが、10月4日、日本列島を横切って太平洋に落下した。日本政府はこれを「暴挙」と表現し、厳重に抗議した。米国は「火星12」型と推測されるミサイルの挑発を、中距離ではなく、長距離ミサイルによる挑発と断定。米韓連合司令部は北朝鮮の挑発に対応して、強力な警告とともに、すぐさま4発のミサイルを発射した。日米韓の防衛協力は、今回の挑発をきっかけにより強固になるだろう。

 ところで北朝鮮はなぜ、2017年以後5年ぶりに、日本列島を通過し太平洋に届く中長距離ミサイルを発射したのだろうか? 5年間毎年、各種の弾道ミサイルを撃ちまくってきた北朝鮮だが、日本列島を越えたことはなかった。それがなぜ今回は挑発行為を拡大してきたのか。その疑問を解いてみよう。

 一言でいえば、「一石三鳥」を狙ったものと考察する。