調剤薬局最大手アインを買収するのはセブンかイオンか?「買い手」5候補に含まれる超意外な会社とはPhoto:JIJI

香港投資ファンドのオアシス・マネジメントが調剤薬局最大手であるアインホールディングス(HD)の株式保有比率を14.89%まで引き上げた。物言う株主であるアクティビストの外圧が強まり、これまで業界再編において買い手側だったアインHDは、身売りする側に回る。買い手候補はセブン&アイ・ホールディングスやイオンに加えて、超意外なメンツがいる。特集『薬局・薬剤師 サバイバルダンス』(全24回)の#1では、オアシスの標的になったアインHDの買い手候補に迫る。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

オアシスの標的になったアイン
買い手は大株主のセブンなのか?

 オアシス騒動再び、である。香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントは4月、調剤薬局チェーン最大手であるアインホールディングス(HD)の株式保有比率を14.89%まで引き上げた。3月時点で9.6%を保有しており、さらに買い増すことでアクティビスト(物言う株主)として圧力を強めた。

 オアシスはドラッグストア業界2位のツルハホールディングス(HD)、さらにはクスリのアオキホールディングス(HD)についても株式を保有していた(下表参照)。どちらも小売り大手であるイオンが大株主であり、イオンへのツルハHD株式13%超の譲渡によりオアシスは株式の売却益を得た。それが3月のことだった。

 ドラッグストア最大手はイオンの子会社ウエルシアホールディングスである。イオンがオアシスからツルハHD株を買うのを機に、業界1位と2位の経営統合が決まった。2027年までの統合を目指して協議を進め、売上高2兆円超の巨大連合が誕生する。

 オアシスはクスリのアオキHDにも同じ手法を仕掛けると業界でささやかれる中、オアシスが次に圧力を強めた先はアインHDだった。

 アインHDの大株主はイオンではなく、小売り最大手のセブン&アイ・ホールディングス(HD)だ。今度はセブン&アイHDがオアシスから株を買って、アインHDを傘下に入れるのか――。

 アインHDの買い手は5候補あり、次ページで明らかにする。セブン&アイHD、イオン、さらに超意外なメンツがいる。