男女写真はイメージです Photo:PIXTA

東海林さだおは、インタビューのプロ・阿川佐和子のトークに対して、「それって自慢?」と突っ込んだという。彼女ほどの達人ですら陥るほど、人は自慢話をしてしまうもの。その点、石田純一は、自分を語るよりもとにかく相手(若い女子)に喋らせるというのだから、稀代のモテ男ぶりもうなずける。阿川佐和子が石田から聞き出したトーク術をご紹介する。※本稿は、『話す力 心をつかむ44のヒント』(阿川佐和子、文藝春秋・文春新書)の一部を抜粋・編集したものです。

本人は自慢していると思わなくても
聞いている側には自慢話に聞こえる

「人の話は90パーセントが自慢と愚痴である」

 そうおっしゃったのは東海林さだおさんです。そのとき私は東海林さんと一緒に食事をしながらお喋りをしていました。楽しい会話をしたいと思い、何の話をしたか定かな記憶はありませんけれど、「聞きにくい質問をして、こんなお応えをいただいて、本当に嬉しかった」といった主旨のエピソードを披露したのです。

 私の気持としては、ゲストがどれほどステキな人であるかを東海林さんに伝えたいと思ったまでのことなのですが、その話をし終わったとき、東海林さんがボソッと呟きました。

「それって、自慢?」

 イラッとなさったわけではありません、たぶん。ニヤリと笑いながら、私を茶化されたのだと思います。そして、くだんの「人の話は90パーセント(80パーセントだったかもしれない)が自慢と愚痴である」という名言を吐かれたのです。

 なるほどねえ。納得して以来、気をつけて人の話を聞いていると、たしかにそういう傾向はありますね。本人は決して自慢するつもりのない話も、聞きようによってはさりげない自慢話のように解釈されることは、けっこう多いのです。

モテるための秘訣を
石田純一に聞いてみた

 石田純一さんにお会いしたときのこと。当時、石田さんは天下のモテオトコで名を馳せていらっしゃいました。今がそうではないという意味ではないですよ。でもその人気には当時、すさまじいものがあり、殿方でさえ、石田さんの真似をして冬でも靴下をはかず、素足で靴をはくのが流行ったほどでした。

 私は石田さんに質問をしました。

「どうすれば、モテる男になれるのか、世の殿方に指南するとしたらなにかヒントはありますか?」。