プラント・エンジニアリングの世界には、想定されるリスク要因を徹底的に排除してもなお起こる「ビヨンド・コントロール」(制御不能な事態)という概念がある。

 現実にそれが起きた今、日揮のリスク管理体制の不備を問う声もある。だが、同社のそれは世界が認める水準なのだ。

 例えば、11年に完成したカタールの「パールGTLプラント」(気体の天然ガスを液体燃料に変える設備)の建設現場では、世界60カ国以上から5万2000人の作業員をかき集めたが、結果的に死者を1人しか出さなかった。

 そのリスク管理能力をもってしても、アルジェリア国防軍が常駐していても、襲撃は防げなかったのである。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨 仁)

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