2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
「A型」よりも「B型」の生き方
人間は、『A型人格』と『B型人格』に分かれます。A型、B型といっても、血液型の話ではありません。私たちの人格を便宜上「A型」「B型」の2つにくくって、それぞれの特徴について考えてみましょう。
・A型人格……「責任感・正義感・使命感・義務感が強い」
自分にも他人にも厳しい。
お風呂は熱め、コーヒーはブラック、ウイスキーはストレートが好き。
カレーは辛口が好き。
眉間にシワを寄せ、口はへの字、耳たぶがなくて切り立っている。
・B型人格……「競わない、比べない、争わない」
協調性がある。
お風呂はぬるめ、コーヒーはミルク入り、ウイスキーは水割りが好き。
カレーは甘口が好き。
いつも笑顔、口角が上がっていて、耳たぶが垂れ下がっている。
「A型」は厳しいタイプ、「B型」は緩いタイプです。
小学校、中学校、高校、大学の教育は、基本的に「A型」をつくるためのシステムです。
「A型」の基本的な価値観は「努力」です。私たちは、学校でも家庭でも、「努力すること」を教わりました。そして、「『努力』の反対語は『怠惰』」と教わりました。
ですが、「努力」とは、見方を変えると「自分の力しか信じない」ということです。
自分の人生をつくっているのは、「自分の力(努力)である」という考え方は、おごり、高ぶり、うぬぼれ、傲慢です。
「努力をする人生」は、常に今の自分を好きになれず、「まだまだ、もっともっと」と満たされない人なのではないでしょうか。
私の長女は、知的障害を持っています。この子は、努力をすることも、頑張ることも、必死になることもありません。
「A型」の価値観でこの子を見たら、「まったく価値がない」ことになります。
でも実際は、この子がニコニコ笑っているだけで、まわりの人間は安らいで、温かい気持ちになって、優しい心になれるのです。
ということは、人間の本当の価値とは、「B型」にあることがわかります。
人間は、頑張るために生まれてきたのではなく、「喜ばれる」ために生まれてきたらしい。
ヒトは、ひとりで生きているときは「人」。人間は「人の間」に生きているから「人間」なのです。
人の間で、何かを頼まれて、それをやってあげて、「ありがとう」と喜ばれることがなければ、自分ひとりで頑張っても意味がない。それは単なる「エゴ」かもしれません。
「努力」の反対語は「怠惰」ではありません。努力の反対語は、「感謝」です。「自分の力」などなく、「まわりの人によって生かされている」と気づくことが「感謝」です。
自分の力で頑張って努力をする人の力量は「1」。一方で、100人に「ありがとう」と手を合わせれば、「ありがとう」を言われた人が味方になってくれるので、力量は「100」になります。
1000人に「ありがとう」を言えば、「1000人(せんにん)」の力を得ることができて、「仙人」のようにすごいことができる。
だとすれば、自分の努力はどうでもいいから、自分のエネルギーのすべてを「ありがとう」に使ったほうが得、というのが私の結論です。