2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

【幸せを感じやすくなる】“自分の子”と“他人の子”を比較してしまう人が知っておきたいことPhoto: Adobe Stock

自分の子と他人の子を比べることに意味はない

「身長2mの人」と「体重が100kgの人」と「足が30cm」の人では、誰がいちばん大きいでしょうか?

 正解は、「比べられない」です。

 まったく違う基準のものを比べたり、競争させたり、評価したりすることは、無理なことです。

 これは、子どもの教育にも当てはまることだと思います。

 子どもには、数学が好きな子ども、体育が好きな子ども、図工が得意な子どもなど、いろいろな個性があります。

 何かに優れているからといって、他のどんな子どもよりも優秀だとは言い切れません。数学が得意な子どものほうが、体育が得意な子どもよりも優れているわけではありません。

 人にはそれぞれ個性や持ち味があって、人と比べることはできないのです。

幸せを感じやすくなる考え方

 自分が他の人とあれこれ比べることに意味はないのですから、「自分は自分。自分は、他人にはないものを持っている」と考えたほうが、幸せを感じやすくなります。

 自分が理想とする人格になるために、自己研鑚をするのはいい。ですが、自分が理想とする人格や生き方、考え方に向かって自己研鑚を積むのは、「自分の中の問題」であり、他人と比べることではありません。

「自分自身が、その頂点に向かって、どれだけ登っていけるか?」ということです。

 親はよく、自分の子どもと他の子どもを比べて、「ここが劣っている」「うちの子どものほうがデキが悪い」と考えることがあります。

 しかし、子どもにはそれぞれ個性があるのですから、比較することに、何の意味もありません。

 わが家の長女は、知的障害があるため、自分の名前を漢字で書くこともできません。足し算も引き算もできません。

 私が久しぶりに家に帰ると、「パパ~」と言って、ずっとくっついて離れません。

 お茶を飲み終わると、またポットのところに行って、お茶を入れて持ってきます。半分くらい飲み終わると、すぐに足していっぱいにしてくれます。

 この子は、人と比べると能力は低い。学力的な優秀さという点でいうと、価値がないことになってしまうかもしれません。

 では、存在している価値がないかといえば、そんなことはない。この子がいると、家の中がパーっと明るくなって、やさしくて幸せな空気が流れます。

 この子は、能力とか能率の面では、たしかにほかの子どもに劣っています。でも、ほかの子どもにはない「温かさ」を持った存在です。

 すべての人には、それぞれのよさがある。だから、比べられない。比べる必要はないのです。